この記事の要点
- 呼吸法(口腔機能療法)が、睡眠の質を向上させる可能性があることが報告されています。
- エビデンススコアは52で、信頼性は中程度とされています。
- OSA(閉塞性睡眠時無呼吸症候群:睡眠中に呼吸が止まるなどの状態を示す診断名)の対象となった大人や子供の方に関係する内容です。
呼吸法とは、呼吸を制御する手法です。
一般的には、心身の状態を整えるために行われることがあります。
口腔機能療法(口の中の筋肉を動かすなどのトレーニング)は、喉まわりの筋肉に働きかける手法の一つとして知られています。今回の研究では、こうしたトレーニングが睡眠の状態にどのように関わるのかが検討されました。つまり、口周りの運動を行うことが睡眠に良い影響を与えるのではないか、という視点の研究です。
呼吸法を用いることで、睡眠の質を向上させる可能性があることが示されています。 具体的な調査の結果として、睡眠の質を示す指標において数値の変化が報告されました。ただし、これはすべての人が同じように変化を感じられることを意味するものではありません。人によっては効果が出ない人もいますし、自分には合わないと感じる場合もあります。
この情報は(複数の研究結果をまとめて解析する手法)によるものです。対象となったのは、OSA(閉塞性睡眠時無呼吸症候群:睡眠中に呼吸が止まるなどの状態を示す診断名)の診断を受けた大人や子供、合わせて347名の方々です。今回のデータには1件の研究が含まれており、その中には31名が参加した研究も含まれています。 このように複数のデータを整理して分析することで、個別の調査だけでは見えにくい全体的な傾向を探ることができます。
エビデンススコアは52という数値で、信頼性は中程度(moderate)とされています。これは「ある程度の根拠がある」と言えるものの、「完全に確実である」とは言い切れない段階であることを示しています。また、含まれている研究の中には、確実性が低いとされるものも存在していました。つまり、今のところはこの結果を一つの目安として捉えておくのが適切でしょう。
メタ分析(複数の研究結果をまとめて解析する手法)は非常に強力な調査方法ですが、その中身となる個々の研究の質にも左右されます。今回のケースでは、全体の傾向としては睡眠に良い影響がある可能性が示唆されましたが、一部の研究には確実性が低いものも含まれていたため、慎重に受け止める必要があります。
| 研究 | デザイン | 対象者数 | 期間 | 主な結果 |
|---|---|---|---|---|
| The Cochrane database of systematic reviews(2020・PMID:33141943) | メタ分析 | 347名 | 不明 | 良い影響が報告された |
どんな人を対象にした研究?
OSA診断を受けた成人および小児、347名を対象としています。
対象に小児が含まれているため、自分に当てはまるか考える際の材料となります。
注意点・限界
この研究は、1件の研究に基づいたメタ分析による報告です。
研究のデータには、31名を対象としたエビデンスの確実性が低いとされるものも含まれています。
そのため、結果の解釈には注意が必要です。
呼吸法は睡眠の質にどのような影響があるとされていますか?
睡眠の質に対して良い影響があるという研究が報告されています。研究件数は1件です。
呼吸法の研究では、どのような人が対象となっていますか?
OSA診断を受けた成人および小児が対象です。人数は347名となっています。
呼吸法に関する研究の信頼性はどの程度でしょうか?
信頼性は中程度と報告されています。
呼吸法によるトレーニングは、睡眠の質に良い影響を与える可能性があるという報告があります。この記事で紹介した内容はメタ分析(複数の研究結果をまとめて解析する手法)に基づいたものですが、まだ研究の件数や確実性には限りがあるため、慎重な理解が求められます。自分自身の眠りのリズムを知るために、セルフチェック診断も試してみてください。

