この記事の要点
- カモミールは睡眠の質に関連して、良い影響があるという研究結果が報告されています。
- エビデンススコアは93で、信頼性は高いとされています。
- 睡眠の状態について変化が起きるかを確認したい人に役立つ情報です。
カモミールとは、精油や抽出物の形で利用される植物です。
アロマテラピーの文脈で他の植物と組み合わせて使用されたり、摂取されたりすることがあります。
カモミールの香りが睡眠にどのように関わるのか、2つの研究があります。
一つは、香りを直接嗅ぐ方法についての報告です。
不眠の傾向がある18歳から35歳の若い世代80名が参加した、小規模な研究の結果があります。この研究では、寝る前に15日間、カモミールのオイルの香りを嗅いでもらいました。カモミールの香りを嗅ぐことで、不眠の程度を軽減し、睡眠の質を高める可能性があることが示されています。
専門的には、(参加者をランダムに分けて効果を比べる、信頼性の高い研究方法)という手法が用いられました。つまり、条件を揃えて特定の要因による違いを確かめる調査が行われたということです。
もう一つは、マッサージを取り入れた使い方の報告です。
火傷の治療を受けている患者さん105名が対象となった、比較的まとまった人数での研究があります。この研究では、ラベンダーとカモミールのオイルを使ったアロマテラピーによるマッサージが行われました。その結果、不安感や睡眠の質に影響を与えるという報告が出ています。これは非薬物的な手法(お薬を使わずに、物理的な刺激などを用いてアプローチする方法)を用いた研究の結果といえます。
対象とする年齢層や取り入れ方によっても、報告されている内容は異なります。
まず、成人を対象とした広い範囲でのまとめの研究についてです。
これまでの複数の研究結果を統合して解析したものです。この調査では、健康な人から疾患を持つ人まで、幅広い成人が含まれています。
夜中に目が覚める回数や、眠りが続く状態などに関わって、睡眠が改善する可能性が示唆されています。
専門的には、システマティック・レビュー(特定のテーマについて、あらかじめ決めたルールに基づき厳選した論文を丁寧に精査する手法)と(個々の研究結果を統計的に統合して解析する手法)という方法で進められました。つまり、バラバラだった多くのデータを一つにまとめて、全体的な傾向を導き出しているのです。
次に、高齢者の方を対象とした研究についてです。
60歳以上の高齢者60名が参加した、小規模な調査の結果があります。28日間、カモミールのエキスを取り入れてもらったところ、睡眠の質が高まるという報告がありました。この研究は臨床試験(実際の場面に近い環境で効果を検証する試験)に基づいて行われています。
研究結果を見る際の注意点は?
今回の研究結果は信頼性が高いとされていますが、いくつかの限界もあります。
まず、個別の研究を見ると参加者の人数がそれほど多くないものも含まれています。そのため、すべての人が同じように感じるとは限りません。合わない場合もあることも理解しておく必要があります。また、今回挙げたのは睡眠に関する報告であり、他の症状への影響については言及されていません。現在の研究データに基づいた範囲で、自分の生活に取り入れるかを検討するのがよいでしょう。
| 研究 | デザイン | 対象者数 | 期間 | 主な結果 |
|---|---|---|---|---|
| International journal of psychiatry in medicine(2025・PMID:39545336) | ランダム化比較試験(RCT) | 80名 | 15日間 | 良い影響が報告された |
| Burns : journal of the International Society for Burn Injuries(2020・PMID:31859096) | ランダム化比較試験(RCT) | 105名 | 不明 | 良い影響が報告された |
| Complementary therapies in medicine(2024・PMID:39106912) | メタ分析 | 772名 | 不明 | 良い影響が報告された |
| Complementary therapies in medicine(2017・PMID:29154054) | ランダム化比較試験(RCT) | 60名 | 28日間 | 良い影響が報告された |
どんな人を対象にした研究?
研究の対象は、合計1017名です。不眠のある18から35歳の若年成人80名、火傷の患者105名、成人772名(健康な人、または疾患を持つ人を含む)、および60歳以上の高齢者60名が含まれます。
対象者の年齢層や状態は多岐にわたるため、自身の状況に当てはめて考える材料になります。
注意点・限界
研究の件数は4件です。
研究のデザインには、ランダム化比較試験(RCT)やメタ分析が含まれています。
対象者の属性が多岐にわたることも、研究の特性として挙げられます。
カモミールはどのような方法で使われますか?
精油としての吸入や、アロマテラピーによるマッサージ、あるいは抽出物の摂取といった使い方が研究されています。これらの使用例が示されています。
カモミールの研究はどのような人を対象に行われましたか?
不眠のある若年成人や火傷の患者、高齢者など、さまざまな状況にある人々を対象とした調査が行われています。対象者は1017名に及びます。
カモミールと睡眠の関係については、どの程度報告されていますか?
睡眠の質に良い影響があるという研究が、高い信頼性とともに報告されています。これまでの調査は4件行われています。
カモミールは、睡眠の質をサポートする可能性について複数の研究から示唆されています。エビデンススコアも高く、香りの使用や成分の摂取が睡眠に関連しているという報告が寄せられています。今回の情報はあくまで研究に基づいたものであり、人数などの制約から確実とは言い切れない部分もあります。まずはセルフチェック診断でご自身の状態を振り返ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。

