この記事の要点
- グリシンは入眠までの時間や睡眠の質に良い影響を与えるという研究報告があります。
- エビデンススコアは53から60で、信頼性は中程度です。
- 寝つきをスムーズにしたいと考えている人や、日中の眠気を気にしている人に向けた情報です。
グリシンは、眠りにつくまでの時間について、何らかの影響を与える可能性が示されています。
グリシンは入眠までの時間に良い影響があるという研究が報告されています(研究4件、信頼性は中程度)。
どのような研究が行われているのかを見ていきましょう。
まず、不眠の傾向がある成人を対象とした研究では、就寝前にグリシンを摂取することで、主観的な睡眠の質が向上したという報告があります。
次に、ラットを対象とした動物実験の報告があります。ラットにおいて、眠りについてからノンレム睡眠(脳の活動が低下し、体が休まる状態)に移るまでの時間が短縮し、同時に体の中心部の温度(深部体温)が下がることも示されています。これは、脳内のNMDA受容体(脳の活動を伝えるためのスイッチのようなもの)を介して、末梢の血管が広がることで起こる仕組みが関係していると考えられています。
さらに、24歳前後の男女16名が参加した小規模な研究(:参加者をランダムに分けて効果を比べる、信頼性の高い研究方法)があります。この研究では、3日間グリシンを摂取した結果、入眠までの時間が約24分短縮し、総睡眠時間が約22分増加、睡眠効率が約2.4%向上したという報告があります。加えて、朝の眠気が減少したという結果も示されています。
専門的には、これらの研究は入眠潜時(眠りについてからの時間)や睡眠効率、睡眠の構造に焦点を当てて行われています。
睡眠そのものの質や、起きた後の状態についても、いくつかの報告があります。
グリシンは睡眠の質に良い影響があるという研究が報告されています(研究4件、信頼性は中程度)。
これについても、どのような実験が行われているか確認してみましょう。
睡眠の質については、不眠傾向の成人を対象に、就寝前に摂取することで主観的な睡眠の質が向上したという報告があります。
また、睡眠不足の状態にある健康な人が対象の、1日あたり3gを3日間摂取する研究もあります。この研究では、VAS(数値ではなく、目盛りのようなものを使って感覚を測る方法)を用いた調査の結果、疲労の減少や眠気の減少の傾向が確認されています。
専門的には、主観的な指標を用いた研究や、睡眠制限(意図的に睡眠時間を減らすこと)を課した状況でのパフォーマンスを評価する研究が行われています。
グリシンに関する研究には、いくつか知っておいてほしい点があります。
24歳前後の男女16名が参加した小規模な研究では、入眠までの時間が約24分短縮したという報告があります。
今回のデータに含まれる研究の多くは、参加人数が16名といった少人数の研究であったり、3日間といった比較的短い期間のものが含まれていたりします。そのため、すべての人に同じように現れるとは限らず、効果が出ない人もいますし、合わない場合もあります。
また、ラットを用いた動物実験のデータも含まれているため、人間での効果についてはまだ研究を重ねる必要がある段階といえます。エビデンススコアは53から60の間であり、信頼性は中程度(moderate)の評価となっています。
どのくらいの量や期間で研究されていますか?
3日間といった短期間の摂取や、1日あたり3gといった量での研究が報告されています。
どのような人に関する研究が多いですか?
不眠傾向がある成人や、睡眠制限を受けた健康な被験者、24歳前後の男女などを対象とした研究があります。
どのようなメカニズムが考えられていますか?
脳内のNMDA受容体(脳の活動を伝えるためのスイッチのようなもの)を介して血管が広がることで、睡眠が促される可能性が示唆されています。
グリシンは入眠までの時間の短縮や、睡眠の質、日中の疲労感などに関連する可能性が、いくつかの研究で報告されています。ただし、研究の多くは小規模であったり、期間が短かったりするため、確実なものとは言えません。
これらはあくまで研究データに基づく報告であり、個人の状態によって結果は異なります。自分に合った睡眠習慣を見つけるための参考にしてみてくださいね。自分に合う睡眠の取り方を知るために、セルフチェック診断も試してみましょう。

